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少し語らせて下さい・・・
私は、旦那のお母さんと同居しています。
厳しいけれど、優しい人です。
そのお母さんも、去年の10月に脳梗塞を患い、
肝硬変や、心臓不整脈などで入院して、
無事退院しましたが、まだ、通院している状態です。
そんなある日、区役所からお母さんの弟さんが見つかったと
連絡がありました・・・
私は義母から、親戚は全て死に絶えたと聞かされていました。
なので、とても驚きました。
聞いてみると、三十数年行方不明だったのだそうです。
捜索願も出したりして、色々手を尽くして探したそうです。
でも、警察は事件に巻き込まれたりしない限り、探しようがないと
受け付けてくれなかったそうです。
手紙やはがきを出しても、住所不定で戻って来たり・・・
それで、死んだものと思って、暮らして来たのだそうです。
なのに、何故今頃になって連絡が取れたのでしょうね・・・
とにかく、区役所の人は「会いに来て下さい」というだけでした。
そして今日、義母の付き添いとして、一緒に会いに行く事になりました。
そして、迷いながらも区役所に何とか辿り着く事が出来ました。
高齢者保健サービス係・・・
そこで義母が、係りの人から説明を受けています。
しばらく前まで入院されていた事
末期がんである事を本人に伝えていない事
死期が近い事、入院費が不足していて、
それを本人が来月の収入(年金)で返そうとしてる事
もし、亡くなった場合は、姉である義母がお葬式をしなければならない事
等々、その他たくさんの事を話していました。
全てを聞いていた訳ではありません。
私は義母の後ろに座って、ただ、項垂れていました。
私の家の生活もままならないのに、
この先どうなるのかと、不安でいっぱいでした。
とにかく、本人に会いましょう、という事になり、
係りの方が、弟さんの自宅まで案内して下さいました。
見た事も、会った事もない、義母の弟さん・・・
一体どんな方なのだろう・・・
ようやく辿り着きました・・・
初めて来る場所、初めて見る風景、ここに弟さんがいらっしゃる。
三十数年、全く会えなかった姉弟が、やっと会える・・・
先に福祉支援センターの方がいらしていて、私達を部屋に通して下さいました。
そして、私は初めて見るその人と、義母の話に耳を傾けていました。
そこで、色々と誤解や行き違いがあった事が分かり、
生きているうちに会えて良かった、と言っていました。
本人は、末期がんである事を知らない・・・
自分では、違う病気だと思っているようでした。
しかし、役所の人が、身寄りはないかと、親戚はいないのかと
最近ばたばたしていたそうで、何となく自分の状況は察しているみたいでした
やはり、面倒は掛けたくない、
引き取ってもらえば、それだけお金も、負担も掛かるから
親戚は居ないと言い張っていたそうです・・・
引越しも3回したそうで、はがきや手紙が戻って来たのも頷けました。
でも、役所の方が、姓も変わり、
住まいを何回か変えた義母を探し出しました・・・
嬉しい筈の対面も、何だか切ない感じでした。
「今度会う時は死ぬ時だな」
そう話す弟さんは、全て分かっている様に見えました。
あくまで私の推測です。本人はどう思っていたかは、分かりません。
でも、私は何だか凄いものを見た様な気がしました。
もう、これが最期の別れになってしまうのか、それは誰にも分からない。
ただ、私はお会い出来て良かったと思いました。
弟さんは、小さい頃の旦那の事を覚えていました。
最後に会ったのは、旦那が3つか4つの時だったそうです。
しばらく、義母と弟さんだけが知るような会話が続きました。
きっと懐かしさと、悲しさが入り混じっていた筈です。
「良く生きてたなぁ」「昔と変わらないなぁ」
お互いそう言い合っていました・・・
これから色々と、問題も出てくるのでしょうね。
でも、このまま死を待つだけというのは、切ない気もします・・・
命が終わるその時に、皆さんは何を想うのでしょうね・・・
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